釣り歴1年のビギナーがついに最終兵器・ライブスコープに手を出した結果【湖上編】

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導入編に続いて実際に湖上で使ってみた編です!

 

 

初導入はなんとトーナメントという暴挙。

まだ記事を書いてないのですが、ちょうどリギングが終わった数日後が亀山湖でシーカートーナメント最終戦でした。
試合でぶっつけ本番で試すとか、試合なめてんのかって話ですが…
しかし手元にあれば居ても立っても居られなかったのが本音でしかありません。
なおその日は雨、新品のECHOMAP Ultra102svはいきなりズブ濡れでございます。

最悪、動かないとか、バッテリー配置まちがって出船できないとか、そんなリスクもあったのですが、とりあえずエレキも動き、継続利用のHELIX9も動き、ECHOMAP Ultra102svも動きました。

が、ECHOMAPがPanoptixを認識してくれない…!
っていうかブラックボックスに通電して、ECHOMAPにケーブル繋いだのも初なので、まあ混乱です。

そもそもECHOMAPにライブスコープを接続すると、どこからライブスコープの画面に入れるのかも知らない始末。
マニュアルを見ると、メインメニューに「Panoptix」という項目があるはず…

むむむ?とブラックボックスを見るとSTATUSランプが赤く点滅している。
赤って、ヤベーんじゃ。普通こういうの緑だろ。

まさかの初期不良?
最初に24Vに繋いだときぶっ壊した?
冷たい雨の中でも生温い汗が脇下を蒸らしたのがわかりました…😱

結局、ブラックボックスとECHOMAPを繋ぐネットワークケーブル(途中に延長?するセクションあり)を全て解体して、一つずつ繋ぎ直していったら、バウデッキからピッ!という電子音。
ファッ!?となって振り向くと、「ソース:Panoptixを認識しました」みたいな表示。
イヤッッホォォォオオォオウ!

時刻は既に7:21と、出船から21分も桟橋にいました。
試合なめてんのかって思いますが、当然のごとくランキングもクソもない状態での最終戦で、冷たい雨雪の真冬、NBNFの可能性も高かったので、この日はトーナメント経験値<ライブスコープ経験値と、普段とバランスを変えて臨むことにしました。

トーナメントに対して失礼でしょ、とも思いましたが、この1年はライブスコープ修行の年と割り切って、バッテリーのテストや試合での使い方も経験積んでいこうと思う次第です。

ともあれ動いたのでいろいろ試す

亀山湖の松下さんから出船だったので、冬の定番となる松下前や月毛沢などで初ライブスコーピング。

当然のNBNFです。
そんな甘いわけがない。

ライブスコープデビューは6時間強の実釣となりましたが、その日の感想は惨憺たるものでして、3時間くらいの時点では導入したことを後悔しはじめているほどでした。
雪混じりの極寒でメンタルフィジカル辛かったこともあるのですが…

慣れてない中でずっと見ていると全く釣れる気がしない

ライブスコープばかり見ていると普段の釣りができなくなり、慣れるまでは釣れるわけがないだろう、とひどく納得してしまうほどの状態でした。

実際、ロッドを持ってもキャストする回数が少ないこと…

しかし…

ずっと見てなければライブスコープ経験値が積めない

オリキンさんでも武器になるのに1年かかったという修羅の道です。
釣れなくても、つらくても、ライブスコープ画面を睨み続けなければ、投資はすべて無駄になってしまうという恐怖。

とにかく画面から目を離さず、もはや隣でがんばっているHELIX9なんてほとんど見ることもなく、移動中すらずっとライブスコープを見ていました。

ずっと見ていると首や肩がめちゃくちゃ凝る

当然ですけど、立った状態でフットコンを踏みながら下を見るわけで、魚探の角度をいくら調整したところで首への負担がすごい。
この日は帰宅後もしばらく首肩の痛みに襲われました。

ずっと見ていると酔う

船酔いとかほとんどしないタイプなのですが、つらさも相まってか、だんだん吐き気が…

なんでライブスコープなんて欲をかいたんだ、俺のバカバカバカ!!とだんだんメンタルまでやられる始末。

自分のルアーを簡単に補足するなんてできやしない

ライブスコープの有効照射角は20°です。
ライブスコープの第一人者、佐々プロのブログが詳しいです。

GARMINライブスコープの映し出す範囲!!
https://sassa-kazuma.com/index.php?uid=611

エレキの微調整(ライブスコープ振動子はエレキに装着して、ペダルを微調整することで照射角度を変えます)は非常にシビアでペダルを1mm踏んだだけでも映る映像は大きく変わります。

オリキンさんがフットコンのペダルは1mm単位で調整するくらいシビア、と言っていたのが実感できました。
1mm以下でも変わるのではないかというくらいシビアでした。

そんな条件下で、湖上には完全に流れもなく、無風であるという状態なんてなかなかないわけで、常に微妙にズレます。
必要な要素は、正確なキャストスキルだけではなく、ライブスコープ振動子がどの方向を向いているかを体感で覚える慣れ(エレキヘッドのインジケータなんてmm単位以上に遊びがあるわけで、目だけで追っても全然無理です)と、風や流れで着水地点がズレることを予測した上でのキャスト(もはやゴルフの世界です)、着水後にすぐにペダルを踏んで微調整し、即座に自分のルアーを見つけること(ウェイトがあったり水深が浅いところだと一瞬でフォールし、ボトムに着いたら正直もう見つけられません。)、などなど。

極めつけはこちらの図をご覧ください。

真上から俯瞰したイメージです。
赤い線はキャストコースです。

真正面(でかつ無風、流れなしで船の位置固定)ならば、真っ直ぐキャストすれば20°の範囲内のどこかに着水するので、多少の距離がズレて、赤い矢印のどこに着水したとしても映しやすいはずです。
まあ、そんな好条件が揃っている状況なんてほとんどない気がします。

問題なのはこちら。
ボートポジションや狙うスポット次第ですが、前述の図よりも圧倒的にこっちのほうが多くなるはずです。

そうです、ライブスコープ振動子がついているエレキモーターと、キャストする自分の位置は違うのです。
自分がエレキの真上に立ってキャストするならば、いつだって真正面のときに近い感じになるはずですが、そうもいきません。

このため、こういった角度の場合は緑のAやBに着水しても映りません。
振動子が向く有効照射角ラインと人間からみたラインがクロスする着水点ポイントに、バチピンで落とす必要があります。

そして、その着水点ポイントを見極めるには、振動子から着水させたい水面までの距離をある程度正確に目視把握できている必要まであるわけです。
いつもストレッチを流すときなんかに、岸から数メートル離れてボートポジションを取るかと思いますが、それが正確には何メートルなのか?自信をもって言える必要があるのです。

正直言って、人間業ではないと感じています。
相当な訓練を積む必要があります。

もちろん多少のズレならフットコンを微調整してルアーを補足できることはあります。
ただ、もし着水点と照射エリアが離れている距離が多い場合、ルアーを補足しに動かしたがゆえに、元の位置で映っていた魚やストラクチャーが描写範囲から外れてしまいます。
それでも魚が気付いてくれる範囲内ならば、一旦消えていた魚がルアーに寄ってくることで映るということはあるでしょうけど。

なお、オリキンさんはガイドのとき、バックシートのゲストがキャストしたルアーを見つけようとペダル操作をがんばってくれて、結構な頻度で見つけてくれるのですが、この場合はキャストする人間の位置がさらに後ろになり、クロスする角度がよりキツくなるわけで、もはや神業としか言いようがありません。
もちろんゲストのキャストスキルはオリキンさんほど卓越していない事のほうが多いでしょうし、どれだけ凄いことをしていたのか改めて痛感しています。

ライブスコープの方向感覚に、正確無比な距離感把握、キャストスキル、流れや風を加味したラインメンディング。
この辺が揃っていないと15m先にキャストした自分のルアーを見つけるなんて不可能に近いです。
っていうか、そもそも15m先ってどこだか正確にわかるようになるだけでもかなり難しいのです。

(これ、もし自分が勝手に難しく考えているだけで、実はもっと簡単だよ?っていうアドバイスがありましたら、泣いて喜んでお酒おごるので教えて下さい…😂)

ちなみに、エレキ(振動子)の真下に落とせばある程度かんたんにルアーを補足できますが、これも慣れるまでは映らなかったりして四苦八苦します。
真下に落とすとこんな感じ。

最初はこれで初歩の慣れを学びました。
今も5m先で補足できる成功確率は50%もないかもしれません。

数メートル先にあきらかに水中にも広がる単独の立ち木を見つけたら、それが映るようにライブスコープの向きを変えると、ヘッドのインジケータがいかに遊びが大きいかわかります。
また、右回転・左回転でも変わってきますね、遊びの手前にくるイメージと言うか。

そういった立ち木の場合は、まず画面で立ち木を捉えたあとで、立ち木に向かってキャストすることで距離のあるルアー補足の練習になります。
そして距離感の正確な把握につながる経験にもなりますね。

ライブスコープがあれば魚は釣れる?

ということでいきなりは釣れません。
ライブスコープさえあれば…というのは幻想です。

数々のライブスコープスキルとキャストスキルを磨いて、慣れた後、もしかしたら武器にできるのかもしれません。
よくプロの動画でライブスコープでルアーを補足してバイト、船まで寄せてくる動画など見ますが、あれを再現するには半端ない経験値が必要です。

ライブスコープ入れてるくせに釣れてないの?って視線を感じるのかなぁ、とか要らぬ不安を抱えていましたが(そもそも人は他人に対してそんなに興味ないw)、これだけ難しい芸当をやってのけなければ武器にはなりきらず、どうでもよくなりました。
ああ、そうだよ、高い投資をしてよけいに釣れなくなったのは俺だよ!!😇

ライブスコープを入れてよかったか?

しかしながら、これは「良かった」と感じています。

中層を引いてくる時、レンジを把握する補助になる

たとえばクランクベイト。
3mダイバーとか1.5mシャローランナーとかありますが、実際かなり弓なりに泳いでくるのでは?とも思いませんか?

それがライブスコープで映して見ると丸わかりで、着水→潜航した後は、予想以上にきっちり同じレンジをまっすぐに泳いでくるのです。
これにはたまげましたが、メーカーさんも自社水槽などでテストされているわけで、なるほどなぁ…と感動しました。

スピナーベイトやスイムジグなんかはレンジコントロールが自動ではありませんから、カウントダウンで初期レンジを決めて、一定の速度で巻くことでレンジキープしているつもり、だったのが、つもりではなくせるのです。
目で見て矯正していけることで、仮にライブスコープがないときでもある程度はレンジコントロールがうまくなる大きな補助になるはずだと感じています。

魚の生態がある程度わかるようになる

たとえばある程度水深のあるボトムにウィードジャングルがある片倉みたいなフィールド。
当然ウィードの中に魚はいるのではないか?と思ってルアーを投入しますよね。

こちらをご覧ください。
2月頭の片倉ダムで映った映像です。

ウィードの中を泳ぐ魚が複数確認できませんか?
今の自分ではこの動き、着き場で絶対にバスだとは断定できませんが、バスなんじゃなかろうか。
実際にこの日のこのエリアでikahimeさんはバスをキャッチしてました。

自分もここにダウンショットやヘビキャロをシューティングして、泳ぐ魚の眼の前に入れたりすると、魚は驚いて逃げるところも見れました。
エレキを操作してしつこく追っかけ回してルアーを投入しましたが、そういうアプローチでは食わないんだな、とよくわかりましたね。

一方で、ときどきこういったいかにも魚が着きそうな場所の中層にポツンと魚がサスペンドしてたりするのを見たことありませんか?
え、これ、バス?単独のヘラ?みたいな。

これに関しても、ずっとライブスコープを見ていたことで、ウィードの中から猛ダッシュで浮いてきて中層でサスペンドしていたり、そのサスペンド位置からウィードに潜っていくのが見えました。
ってことは、もしウィードに着いているのがバスであるならば、サスペンドしていたのもバスなのかもしれません。

これで「わかるようになる」はずいぶんな言い草だとは思いますが、今までわからなかったことがわかる可能性がある、というだけでも、釣り人として、魚好きとして、興味深いことがたくさんあります。

かなり水深や距離があっても、エレキ踏んだ瞬間にビックリして逃げる魚が見れたりとか。

完璧に眼前の水中地形がわかる

前編でも書きましたが、オリキンさんが言っていたとおり、確実に目の前の水中の地形がわかるということ。
これは大きなメリットです。

従来の魚探ではGPS等深線マップを見ていても、もしGPS座標がズレていたら?正確なところはボトムをトレース出来るルアーで実際に引いてみないとわかりません。
ヘディングセンサーも無ければGPSが常時高精度だという保証もあまりないでしょう。
魚探がけしてマーキングした沈みものも、水面上のボートから一撃でここ!って当てられるようになるには、熟練が必要だと思います。

しかしライブスコープなら、間違いなく、今いる場所から正確に水中の地形がわかるのです。
真正面、4m先、ブレイクの途中にデカい立ち木がある、とか。
さらに、その立ち木の下には魚が着いている、とかも。

魚を見つけてシューティングするというより、地形を完璧に見極められるというのが実は最大のメリットなのではないかと感じています。

とりあえずまとめると

合計5回くらい使って、いまのところライブスコープでの釣果は、ボトムに着いているこれは…バス、かなぁ?と思ったところに投げたら釣れたという1度だけです。
厳寒期ゆえボトムをじっくり見ているというのもありますが、やはり簡単では有りません。

しかし、何より楽しいのです…!
水中が見えるということが、こんなに楽しいのか!と。
オリキンさんがライブスコープは楽しいって言っていたのが少しだけわかってきました。

投資に見合った効果はあったか?
これから先、トーナメントでの強い武器となるのか?
まだまだ全然わかりません。

でも、現時点では釣りが楽しくなったのは間違いなく…

「ライブスコープはゲームチェンジャー」とよく耳にしますが、これ、釣れるようになるからバスフィッシングという競技が変わるって意味かと思っていました。
しかし使ってみて実際に、魚を釣るという一連の所作が全く別の行動に変わることに気が付きました。

まあ今はライブスコープばかり見続けているからであって、それも初心者ゆえの非効率的な使い方をしていることも自覚していますけど。

移動中を含む常時にライブスコープを見るのではなく、通常の釣りをする行動…再現性を求めて狙ったエリアへ移動し、到着してからライブスコープで裏付けを取るという使い方が正しい気がしています。
シューティング的な使い方もあるんだと思いますが、その領域に達するにはまだまだ訓練を要しますし、ライブスコープ力だけでなくキャストスキルやエリア選定スキルなど、通常の能力を磨いてリンクさせなければ、豚に真珠だなーと。

とりあえず現段階での、ビギナーがライブスコープ使ったらこうなった、はこのあたりで締めようとおもいます。
ライブスコープ導入を検討している方のご参考になれば幸いです。